Library Planner
Sugiyama Sawa

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レファレンスの入り口

図書館の業務の中に「レファレンスサービス」というものがあります。

これは、簡単に言えば「利用者さんの「知りたい!」に応える仕事です。

○○っていう本どこにあるの?という利用者さんに、この本ですねとご用意するのもレファレンス。学術的な論文を書くための資料を探してほしい。これもレファレンスです。利用者さんによっては、「主人公が女の子で…靴屋さんで働いてて…母親との関係が…みたいな本があったんですけどわかりますか?」という、断片的な本の情報のみを持ってくる方もいらっしゃいます。図書館在職当時、断片的な情報のレファレンスは、個人的に燃えるレファレンスでもありました。

図書館でのレファレンスサービスは、基本「本」に関することだけ!と思っている方も多いと思います。ですが、個人的には「本」だけに留まらなくていいと思っています。実際にあったレファレンスでも「イオンモールへの行き方を教えて」や「ゲーム機の使い方を教えて」など、本には関係のないレファレンスもたくさんありました。道案内なら図書館の地図を使って案内することもできますし、ゲーム機の使い方ならわかるスタッフがいれば教え、わからないものに関しては、ここに連絡してみるといいですよ!と連絡先をご案内すればいいのです。

何より重要なのが、困ったときは図書館に聞いてみよう!と思ってもらえることが大切なのだと思います。

そのために、図書館員は広いアンテナを持つことが重要なのだと思い、在職時は様々なものに興味を持ったり、ほんの触りだけでも知識として蓄えるよう心がけていました。利用者さんの求めているものが何なのかわからないと、その情報が掲載されているであろう分類へ案内することもできません。もちろん、1人ですべてのものに興味を持ち、知識を蓄えることはできません。一緒に働いているほかのスタッフが、どんなものに興味があり、どんなものが得意なのか、日ごろの会話などから知っておくことも重要だと思います。その中で、自分はこれには自信がある!というレファレンスの分野も持てたら、より強くなるのではないかなと思っています。働いているスタッフが全員広くも浅い知識を持ち、様々な分野それぞれに強いスタッフが1名はいる。そうなれたらレファレンスに無敵な図書館が出来るのではないかなと思います。

…と、これはあくまで理想論。

実際の現場では、少ない人数で多くの仕事を抱え、日々の業務に追われているというのが、多くの図書館の現状だと思います。スタッフの心に余裕がなければ、幅広いレファレンスへの対応も難しいと思います。この人材の確保育成は、今後も図書館業界の大きな課題ですね。

そんな中でも、多くの図書館員たちは、利用者さんの「知りたい!」に応えるべく、日々勉強しています。

みなさんが、何か困った時や、「知りたい!」と思ったとき、図書館の存在を思い出してもらえたら…と願っています。

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