Library Planner
Sugiyama Sawa

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おはなしの世界

「皆さんこんにちは!今日はこの時間、皆さんとお話の世界を楽しみにやってきました、富士吉田市立図書館の杉山です」

図書館勤務時代、小学校での出前お話会の自己紹介のセリフは、決まってこれでした。

市内各小学校へ、子どもたちに本を届ける、子どもに楽しんでもらうために出前のお話会に行っていたのですが、実際、自分が読み聞かせをする際も、ただの読んで聞かせる人ではなく、一緒に楽しむよう心がけていました。

実際、読み聞かせをする前に何度も何度も練習し、絵もしっかり読み込んだつもりでいても子どもたちの反応から新しい発見を得ることもしばしばあり、読み聞かせているはずがすっかり自分も楽しんでいました。

大人の目線と子どもの目線、絵本1つとってもこんなに違うのかと驚かされることばかりでした。

学校おはなしかいに行ったことのない方によく「高学年なんて、絵本を読んだって馬鹿にされない?朗読したって聞いてないでしょ?」と言われることがあります。しかし、全くそんなことはありません。みんな真剣な様子で聞いてくれるし、一緒に笑ったり、発言したりしてくれます。以前訪問した6年生のクラスでは、比較的やんちゃな雰囲気のクラスでしたが、読み聞かせの時間が終わると「えぇ!もう終わり?もう1時間やってってよぉ」と、声が上がり、クラス中からそのコールが来たことがあるほどです。

私が学校おはなしかいを行っていた富士吉田市では、市内の多くの小学校から出前お話会の依頼があり、授業の時間まるっと1時間を読み聞かせの時間として用意してくれています。1年生から6年生まで、毎学期1回ずつ依頼をくれる学校もあり、子どもたちが読み聞かせや、お話の世界に慣れているというのもあるとは思いますが、一緒におはなしの世界を楽しんでくれる子どもたちがいるというのは、読む側にとっても、これ以上ない幸せだと思います。

おはなしの世界は、想像力を育み、新しいものとの出会いや知識を広げ、人とのコミュニケーションの役割も担っています。

図書館プランナーとしてこの先も、子どもたちにとっておはなしの世界が身近にあるよう、そんな環境づくりのお手伝いが出来たらいいなと思っています。

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