「10年後になくなるかもしれない仕事」
そんな特集がされたとき、必ずと言っていいほどその中に図書館司書が入ります。正直に言って、図書館の仕事をAIに任せ、無人コンビニのように本を持って出るときにはスマホのアプリが自動で貸出状態にし、戻ってきた際には返却状態にすることは可能なのだと思います。
レファレンスも、こんな本が読みたい、こんなことが知りたいにAIが答えることは簡単なことなのだと思います。これに関しては、1人の人間の知識で答えるよりもはるかに早く答えが出せるはず。本の購入も、購入データのようなものをあらかじめ登録するなどで、選書も自動でできるようになるのだと思います。
もちろん、おはなしかいや本の修理など、絶対に人の手が入らなければいならない仕事もありますが、それだけではなく、私は図書館司書は絶対になくしてはいけない仕事だと思っています。
図書館における図書館員の仕事の中で、貸出返却やレファレンスなど人間が関わらなくても出来る仕事はあるかもしれませんが、いくらシステム的に可能であっても、人間が関わっていることが重要なのだと思います。
図書館には、様々な人が来ます。
ただ目当ての本が借りたい人もいれば、なんとなく本でも読んでみるか…という気分の人、暇だから図書館でも行くかという人、居場所として求めてくる人。
様々な人が来る図書館は公共施設であって、誰もが平等に使える施設でなければいけません。すべてをAI化した場合、誰もが平等に使える施設になれるでしょうか?
そして何より、私の図書館プランナーとしての基本理念「コミュニティの場としての図書館」は、やはり、地域の人に寄り添える図書館員がいるからこそできることなのだと思います。
ただ、本を借りるだけといったAI化した図書館があってもいいとも思っています。24時間いつでも開いていて何時でも本が借りられる、コンビニのような図書館を必要としている人はいると思います。
ですが、きちんと司書のいる図書館の分館としてのコンビニ図書館でなくてはいけません。コンビニ図書館を使うのか、司書のいる図書館を使うのか、利用者さんが自分に合った図書館を選ぶという未来ならあっていいと思います。
しかし、そんな図書館が出来たとしても、それを作り管理するのはやはり人間。
10年たとうが、20年たとうが、図書館司書という仕事がなくならない未来を作っていきたいものです。