小学生への読み聞かせ、どんな本がいいですか?
こんな質問をされることがよくあります。このブログを読んでくださっている方でも、子どもたちに読み聞かせをしていますという方もいらっしゃると思います。
上記の質問はじつはすごく答えるのが難しいのです。
私の中にも、小学生に読みたい本はたくさんあります。でも、それはあくまで私が読みたい本なのです。読み聞かせは、やはり読み手の雰囲気、キャラクターによって、合う本・合わない本があります。もちろん自分に合わない本でも読むことはできますが、読み手が無理をして読む本には、説得力もないですし、面白さが半減してしまいます。
ですので、初めて話をする利用者さんに上記のことを聞かれたときは、好きな絵本や読んだことのある絵本などをインタビューしながら、その人の声質やしゃべり方、表情などをみて、「しっかり聞かせる系の絵本」「参加型の絵本」「つい笑っちゃう絵本」などから、どんな方向のジャンル合うのか探ってから勧めるようにしていました。
ですので、答えるのが難しいのです。
このようなレファレンスに答えるには、実践経験と知識の積み重ねをしていないと難しいと思います。
図書館によっては、図書館員が読み聞かせを一切行わないという図書館もあるそうで、とある図書館では、読み聞かせはボランティアさんの仕事でしょ?という館長の考えから、読み聞かせをさせてもらえない…とやりたいのに出来ないという話を聞いたことがあります。
読み聞かせをしたこともない、見たこともない図書館員がこのようなレファレンスを受ける場合、読み聞かせのブックリストなどを参考にすることも多いと思います。もちろんそれでもいいのですが、やはり私が利用者側なら、実践経験のある人の話を聞いてみたいなと思うと思います。
たとえば、初めて行くご飯屋さんの評判を聞いたときに、「ここのご飯めちゃくちゃ美味しいですよ!毎日でも食べたいくらいです」という人の話と「ここのご飯めちゃくちゃ美味しいらしいですよ!知り合いが毎日行きたいって言ってました」という人の話、どちらの人の話を聞きたいかと言ったら…やはり前者ですよね。
読み聞かせに関するレファレンスも一緒です。ブックリストなどから探した情報より、経験者の話の方が、知識に加え、実践経験に基づく情報となり生きた情報になります。
さて、読み聞かせはボランティアさんの仕事なのでしょうか?
そもそも、ボランティアさんの「仕事」というところに疑問を抱くところですが、読み聞かせの実践経験は、通常業務の中に生きてきます。ぜひ読み聞かせの実践経験を積んだ図書館員を育てて頂きたいと思います。