図書館関係者なら耳にすることも多い「学校連携」ですが、皆さんの図書館ではどのような連携がなされているでしょうか?
私がいた図書館では、公共図書館と学校図書館のシステム自体が繋がっており、公共図書館のシステムに枝分かれして学校図書館のシステムがあるといった形でした。
そのため、書誌データも公共図書館の物を学校で使用する形となっていたので、学校図書館司書の先生は書誌作成に悩むことはなく、システムで困ったことがあった際も公共図書館へ問い合わせればいいという形でした。逆に公共図書館からすれば、その学校がどの本を持っているのか公共からでも確認ができ、学校で人気の本を知ることが出来たり、「学校にあった本なんだけど…」という子どもたちからのレファレンスの際にもとても役立っていました。
システム外のことで言えば、週に1回、定期便といった形で公共図書館が学校を予約本のお届けや返却の受け取りに各学校を巡回したり、それぞれのクラスへ出向き授業1時間の枠で行う出前おはなしかい、セカンドブックとサードブックの協力など…連携事業は多岐にわたっていました。
学校図書館と公共図書館の連携は、双方にとってメリットがあると思います。
学校図書館司書にとっては、一人で不安なことも気軽に判断を仰げる人がいるというのは大きく、また公共図書館のルールに従って本を所蔵しているので、ほかの学校に異動になっても、独自ルールで蔵書している学校がないためスムーズに引継ぎが行えます。
公共図書館司書にとっては、同じルールで育った子どもたちが公共図書館に来た際に学校ですでに習っているルールに基づき本を探してくれるので、図書館に来て子どもたちが困る…ということが減りますし、学校へのおはなしかいなどで、児童生徒と公共図書館員が出会う機会も多く、「知っている人がいる」ということが子どもたちが図書館に来てくれるきっかけになっているということもあります。
公共図書館と学校図書館。
連携することで、一人で頑張る学校図書館司書を支え、利用者の利便性も高めることが出来るので、まだあまり取り組まれていない図書館は、ぜひ考えて頂きたいと思います。
もちろん、システムの入れ替えとなるとさすがにすぐに…というわけにはいきませんので、学校用に貸出セットを用意したり、公共発信で研修会を行ったりなど、ぜひ学校図書館と関わる機会を増やしていってほしいと思います。
子どもたちの好きな本の傾向などを知るために、全学校の図書館だよりを毎回見せてもらうというのもいいかもしれません。コラボが可能なら、公共図書館のコラムを掲載する枠
をとってもらうのも、子どもたちへの宣伝になると思います。
ぜひ、公共図書館と学校図書館が協力し合える体制を作っていってください。