Library Planner
Sugiyama Sawa

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学校図書館を考える

前回の学校図書館と公共図書館の関わりから引き続き、学校図書館の現状について考えてみたいと思います。

学校図書館に専任の司書がいる。

私は、小学校から高校までこれが当たり前だと思って育ちました。

しかし、この業界に入り、様々な現状を見ていく中で、これでいいのか?と思うことも多く、今日はそのことを少しお話したいと思います。

まず、学校への司書配置ですが、これには都道府県でかなりの差があるのをご存じでしょうか?令和2年の調べでは、公立小学校への司書配置率が、岡山県では100%、大分県では99.6%、石川県、山梨県が98%を超えるなどする一方で、青森県や徳島県では10%ちょっとしか配置されていないそうです。子どもの教育に関わることの中で、ここまで都道府県に差が出ているというのは驚きでした。

学校図書館は、学校図書館法に規定されているように、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備です。だからといって、学校に図書館があればそれでいいのではなく、図書館資料を収集・整理・保存し、学校の教育課程の展開に寄与することではじめて学校図書館が機能し、存在の意味が出るのだと思います。

専任の司書がいない学校では、これらの業務を教職員がすべて行っているのでしょうか?

それはさすがに先生への負担が大きく、昨今話題の先生の過重労働にも繋がると思います。そのため、やはり専任の学校図書館司書が必要だと私は思います。

学校図書館は、ただあればいいという施設ではありません。家庭環境に関係なく、学校に通っている子どもたちが平等に本に触れあえる場所は、学校図書館しかありません。そこには楽しい本はもちろん、知りたいことを知ることの出来る本がきちんと配置されていなくてはいけません。図書館は宝さがし!ということも聞きますが、それは雑多に置いてある本から探すという意味ではなく、きちんと整理されている中から、自分の持っている情報やスキルでその本を見つける楽しみという意味です。そしてその本は常に新鮮でなくてはいけません。公共図書館では、古い情報と今の情報を比べるため、古いものを保存しておかなければなりませんが、場所の限られる学校図書館では今の情報を置くべきだと思います。残念ながら未だに1192年鎌倉幕府が成立したと書かれている本や、恐竜には毛はないと書かれている本が置いてある学校図書館もあります。歴史や研究はどんどん進化し変わっていくものもあります。授業で教えていることと、図書館にある本では言っていることが違う!ということにならないよう、本のアップデートは必要です。

そのような学校図書館を作っていくためには、いくら本に詳しい先生がいたとしても、司書教諭や司書資格を持っている先生がいたとしても、子どもたちの指導をしながら図書館を運営することは無理だと思います。きちんと専任の司書を置くことでやっと、学校図書館として機能するのではないでしょうか?

そのためにも、まず、学校図書館司書の待遇改善や、図書資料の予算など、今一度検討していただきたいと思います。

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