図書館におけるレファレンス業務は、その図書館の力量を判断する上で重要な部分といっても過言ではないと思います。
私は、レファレンスには大きく分けて3種類あると思っています。
・求めている本の所在を問うもの
・学習及び研究にまつわる専門的なもの
・日常的な疑問の解決や、読みたい本を求めるもの
この3種類だと思います。
1番目の「求めている本の所在を問うもの」に関しては、すでに読みたい本が決まっている利用者さんのその本がどこにあるかという疑問に応えるものなので、図書館員なら働き始めて1か月もすればすぐに出来るようになると思います。
2番目の「学習及び研究にまつわる専門的なもの」ですが、これに関してはその図書館にいるスタッフ全員が出来なくてもいいのかなとも思っています。それぞれの図書館において特色があり、地域資料などに違いがあるので一概には言えませんが、個人的にはその地域の特色であるいわゆる地域資料に詳しいスタッフを数名育て、開館時には必ず1人いるという状態を作るといいと思います。また地域によっては、地元の歴史の分かる博物館などを公共施設として持っている自治体もあると思うので、その場合はそことの連携もきちんと構築しておくのがいいと思います。
私がいた富士吉田市立図書館では、スタッフの中に地域資料担当スタッフがおり、さらに市内にふじさんミュージアムというところがあり、富士山や地元の歴史にまつわるものを展示した博物館には学芸員さんがいましたので、軽微な地域の調べ物に関しては図書館で、かなり専門的な分野でしたらミュージアムへ案内するというすみ分けを行っていました。これは、利用する側にも大きな利点があり、地域資料の収集保存をメインしている図書館員と、地域のことを学術的に研究している学芸員とではやはり、知っていることに幅が出るのは仕方がありません。利用者さんが求める情報を正確に判断し、どちらがよりその利用者さんの求める情報を提供できるか判断することが大切だと思っています。
専門的なレファレンスを受けるうえで、富士吉田市は、図書館としても利用者さんとしてもかなり恵まれた環境です。
しかし、多くの図書館は、そこにある本や情報だけで専門的なレファレンスに答えなくてはなりません。その際には、レファレンス共同データベースや論文、TOOLiなどを活用していくと思いますが、実はウィキペディアも意外と使えます。ただし、ウィキペディアの情報をそのままは使わないでください。誰でも書けるインターネット上の情報ではどうしても信用性が低くなってしまうからです。しかし、ウィキペディアにははぼ必ず、その事柄を掲載した出典が書かれています。その事柄を調べ、出典が分かったらその本を調べてみると意外と求めている情報が見つかることもあります。このように、様々なツールを使い利用者さんの求める情報を提供していかなければならないレファレンスですが、個人的に一番重要なのは、最後の「日常的な疑問の解決や、読みたい本を求めるもの」だと思っています。これ以上書くと長くなってしましそうなので、続きはまた次回のブログでお話したいと思います。