Library Planner
Sugiyama Sawa

Blog

レファレンスに強い図書館を作る part2

前回のブログで、レファレンスは大きく分けて

・求めている本の所在を問うもの

・学習及び研究にまつわる専門的なもの

・日常的な疑問の解決や、読みたい本を求めるもの

の3種類ではないかなとお話させていただきました。上の2つについては、前回のブログにありますので、そちらをご覧ください。

今回は、3番目「日常的な疑問の解決や、読みたい本を求めるもの」についてお話したいと思います。

専門図書館とかではなく、普通の地域にある公共図書館においては、このレファレンスが一番多く、また一番重要ではないかなと思います。

庭に生えていた植物の名前を知りたいというものや、今度朝ドラになるから誰々という偉人のことを知りたい、くまさんが洋服屋さんの絵本が見たいなど、学術的に研究しているわけではなく、日常の中で芽生えた疑問や読みたい気持ちを叶えるためのレファレンスです。こういったレファレンスに重要なのが、図書館員の知識の幅とインタビュー力だと思っています。

まずはインタビュー力ですが、例えば利用者さんが「“いさん”について知りたい」と言ってきた場合、真っ先に思いつくのは「遺産」についてという方が多いのではないでしょうか?しかしこの言葉だけで、遺産相続などの分類を紹介していいのでしょうか?遺産について知りたかったとしても、「遺産相続」だけとは限りません。

「遺産を分配するための遺言書の書き方」かもしれませんし、もしかしたら「世界遺産について」かもしれません。そもそも“いさん”=“遺産”だとしましたが、もしかしたら“胃酸”かもしれませんし、まさかの“違算”かもしれません。きちんと正しい情報を案内するためには、その人が何について知りたいのかしっかりインタビューすることが大切です。

そして、図書館員自身の幅もとても重要です。「“いさん”について知りたい」と言われたときに“遺産”は知っていても“胃酸”という言葉を知らなければ、もしかしてこっちかも?と思うことはできません。“遺産”だったとしても、遺産相続の分類だけを案内するだけではなく、遺産について書かれたエッセイなども使えるかもしれませんし、判例集も使えるかもしれません。そういった幅広い目で見る力のため、図書館員の幅が必要になってくるのです。また、利用者さんの求める事柄自体を聞いたこともないと、答えにたどり着くまでが長い道のりになってしまいますので、普段から興味のない事柄でも、情報をなんとなく自分の中に入れておくととても便利です。

レファレンスに強い図書館を目指すため、日ごろから様々なものに興味を持っていただきたいと思います。

Now Loading...