Library Planner
Sugiyama Sawa

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「移動図書館」の活用法を考える

図書館の本を乗せた車で少し離れた地域へ出向いて、その地域の方々に図書館の本を楽しんでもらうことの出来る移動図書館。

以前私の勤務していた図書館では、移動図書館はなかったので憧れでもありました。富士吉田市は人口が多いわけではないですが、その分都会と比べて広範囲に人が暮らしています。そんな中、公共交通機関が都会のように発達していないので、お年寄りやお子さんなど、市内に唯一の図書館では物理的に来館することの出来ない人もやはり多かったように思います。

移動図書館は、図書館に来ることが難しい方へのサービスとして非常に有効な第一歩だと思います。ただ、図書館と移動図書館では圧倒的に本の量が違いますし、レファレンスに答えられるわけでもないですし…サービスの差は歴然です。

しかし、少し視点を変えてみるのはいかがでしょう?

移動図書館ならではの利点を生かし、新たなサービスを考えてみるのも面白いと思います。

例えば、広い駐車場のある飲食店と提携し、その駐車場で移動図書館を開館し、飲み物などを飲みながら本が読めるというのもいいかもしれません。フリーマーケットでリサイクル本を販売または提供するのもいいかもしれません。公園などで青空図書館を開催するのもいいかもしれません。

地域のコミュニティセンターなどをまわって貸し出しを行う移動図書館というイメージから、図書館の宣伝カーとしての役割を担っていると考えてみると、やれることの可能性は格段に増えてくると思います。

ただ、これには1つ重要なポイントがあります。

移動図書館につかっている車を、少しおしゃれにすることです。ただ、お年寄りが近寄りがたくなってしまうほど、あまりやりすぎない方がいいとは思います。

とはいえ、車なんて買い換えられないし…と思われると思いますが、わざわざ車を買い替える必要はありません。黒板の看板を設置したり、ガーランドを付けてキッチンカーのようにしてみるのもいいかもしれませんし、すのこや簾、のれんなどを使って和風に仕上げてみるのも面白いと思います。もし、その地域に地域おこし協力隊の方がいるようであれば、一緒に企画してみるのもいいと思います。地域おこし協力隊と共同で企画することで、図書館という概念から1歩出た新しいアイディアをくれたり、イベントに呼んでもらえる機会も増えるのではないでしょうか?

移動図書館で図書館を知ってくれる人や、図書館には行けないけど本が読みたいから嬉しい!という人が増えたら、図書館として嬉しいことはありません。

「移動図書館=外での本の貸し出し」という概念を少し忘れて「移動図書館=宣伝カー」という風に考えてみて頂けたらと思います。

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